
「住民税非課税世帯なら、国民健康保険料も払わなくていいのかな?」
そんな疑問を持たれている方、きっと多いのではないでしょうか。
年金だけで生活していると、毎月届く保険料の通知書を見るたびに「これって本当に正しい金額なの?」と不安になりますよね。
実は、住民税非課税世帯であっても国民健康保険料は原則かかるんです。
ただし、知っておくと損しない軽減制度がしっかり用意されています。
この記事では、住民税非課税世帯と国民健康保険料の関係について、60代女性の具体例を交えながらわかりやすくお伝えします。
この記事でわかること
- 住民税非課税世帯でも国民健康保険料がかかる理由
- 7割・5割・2割軽減の仕組みと対象条件
- 損しないための確認ポイント7選
【この記事のポイント】
- ✓ 3分で読めます
- ✓ 年金生活者・住民税非課税世帯の方が対象です
- ✓ 知らないと損する軽減制度がわかります
- ✓ 申請が必要な減免制度もあります
- ✓ お問い合わせ先はお住まいの市区町村役場です
住民税非課税世帯でも国民健康保険料は原則かかります

結論から申し上げると、住民税非課税世帯であっても国民健康保険料は原則としてかかります。
「えっ、住民税がゼロなのに保険料は払うの?」と驚かれるかもしれませんね。
これは、住民税と国民健康保険がまったく別の制度だからなんです。
住民税は所得に応じて課税される「税金」ですが、国民健康保険料は医療を受けるための「保険料」という位置づけになっています。
ただし、低所得世帯には軽減制度が用意されていますので、全額を支払うわけではありません。
ここをしっかり理解しておくと、「払いすぎているかも」という不安が解消されますよ。
60代女性Aさんの場合:年金月8万円の一人暮らし
具体的な例を見てみましょう。
Aさんは62歳で、夫を亡くされてから一人暮らしをされています。
月々の年金収入は約8万円(年間約96万円)です。
この収入だと、Aさんは住民税非課税世帯に該当します。
「住民税がかからないなら、国保もかからないのでは?」と思われていたそうです。
しかし、届いた国民健康保険料の通知書には金額が記載されていました。
驚いて市役所に問い合わせたところ、「7割軽減が適用されていますよ」と説明を受けたそうです。
つまり、Aさんは軽減前の金額の3割だけを支払えばよい状態だったんですね。
軽減制度を知らないと「高い!」と感じてしまいますが、実はかなり負担が抑えられていたというわけです。
なぜ住民税非課税でも国民健康保険料がかかるのか

「住民税がゼロなのに、なぜ保険料は発生するの?」
この疑問、とても自然なことですよね。
ここでは、その理由をわかりやすく解説していきます。
住民税と国民健康保険は計算方法が違う
まず、住民税と国民健康保険料は計算のルールがまったく異なります。
住民税には「非課税限度額」というものがあり、一定の所得以下であれば課税されません。
例えば、単身者の場合、給与収入なら約100万円以下、年金収入なら約155万円以下が目安とされています。
一方、国民健康保険料は「所得割」「均等割」「平等割」などを組み合わせて計算されます。
所得がゼロでも、「均等割」という加入者1人あたりにかかる部分は発生するんですね。
この仕組みの違いが、「住民税ゼロでも国保はかかる」という状況を生み出しているわけです。
国民健康保険料の構成要素を理解しよう
国民健康保険料は、複数の要素で構成されています。
これを知っておくと、通知書を見たときに「何にいくらかかっているか」がわかるようになりますよ。
国民健康保険料の主な構成
- 医療分:病気やケガの医療費に充てる部分
- 後期高齢者支援金分:75歳以上の方の医療を支える部分
- 介護分:40~64歳の方に課される介護保険の部分
- 子ども・子育て支援金分:2026年度から新設(自治体による)
それぞれの区分ごとに「所得割」と「均等割」が計算され、合計されて保険料が決まります。
所得が低くても、均等割の部分は一定額が発生するため、完全にゼロにはなりにくいんですね。
会社の健康保険との違いも知っておこう
会社員の方が加入する健康保険(協会けんぽや組合健保)には「被扶養者」という制度があります。
扶養に入れば、追加の保険料なしで保険証がもらえますよね。
しかし、国民健康保険には被扶養者制度がありません。
世帯の人数が増えれば、その分だけ均等割も増えていきます。
この点も、国保の保険料が思ったより高く感じられる原因のひとつなんですね。
60代女性Bさんの場合:夫婦で年金月18万円
Bさん(64歳)とご主人(67歳)は二人暮らしです。
夫婦合わせた年金収入は月約18万円(年間約216万円)。
世帯としては住民税非課税世帯に該当していますが、国民健康保険料の通知書には二人分の均等割が記載されていました。
Bさんは「夫婦二人だから倍かかるのかしら」と心配されていましたが、市役所で確認したところ、5割軽減が適用されていることがわかりました。
軽減があるおかげで、実際の負担は本来の半額程度に抑えられていたんですね。
「通知書の見方がわかって安心した」とおっしゃっていました。
住民税非課税世帯向けの国民健康保険料軽減制度
ここからは、住民税非課税世帯の方にとって特に重要な「軽減制度」について詳しく見ていきましょう。
この制度を知っているかどうかで、実際の負担感がまったく変わってきますよ。
7割・5割・2割軽減の仕組み
国民健康保険料の均等割には、所得に応じた軽減制度が設けられています。
厚生労働省の制度に基づき、各自治体で運用されています。
均等割軽減の目安(2026年度時点)
| 軽減割合 | 世帯の所得基準(目安) |
|---|---|
| 7割軽減 | 世帯の所得合計が43万円以下 |
| 5割軽減 | 世帯の所得合計が43万円+29.5万円×被保険者数以下 |
| 2割軽減 | 世帯の所得合計が43万円+54.5万円×被保険者数以下 |
※上記は一般的な基準であり、自治体によって金額が異なる場合があります。
必ずお住まいの市区町村でご確認ください。
この軽減は申請不要で自動適用されるのが一般的です。
ただし、所得の申告をしていないと適用されないこともありますので、注意が必要ですね。
軽減判定は「世帯全体」の所得で行われる
ここで気をつけていただきたいのが、軽減の判定基準です。
国民健康保険の軽減は、世帯主と被保険者全員の所得合計で判定されます。
つまり、ご自身の所得がゼロでも、同じ世帯に所得のある方がいると軽減が受けられないこともあるんですね。
例えば、お子さんと同居していて、お子さんに収入がある場合などは要注意です。
世帯分離を検討される方もいらっしゃいますが、これはメリット・デメリットがありますので、慎重にご判断くださいね。
申請が必要な「減免制度」もある
軽減とは別に、「減免」という制度もあります。
これは、特別な事情がある場合に申請することで保険料が減額される制度です。
減免が認められる主な事由
- 災害により財産に大きな損害を受けた場合
- 失業や倒産により収入が大幅に減少した場合
- 病気や障害により働けなくなった場合
- その他、生活困窮と認められる場合
減免は軽減と違って自動適用ではありませんので、該当しそうな方は必ず市区町村の窓口にご相談くださいね。
60代女性Cさんの場合:年金月12万円で退職直後
Cさんは63歳で会社を退職されたばかりです。
現在の収入は年金の月約12万円(年間約144万円)のみ。
退職前は会社の健康保険に加入していましたが、退職に伴い国民健康保険に切り替えることになりました。
届いた保険料の通知書を見て「こんなに高いの?」と驚かれたそうです。
実は、国保の保険料は前年の所得をもとに計算されます。
Cさんの場合、退職前の給与収入が反映されていたため、高額になっていたんですね。
市役所で相談したところ、「非自発的離職者」に該当するため、前年所得を30%として計算する特例減免が適用できることがわかりました。
「聞いてよかった」とCさんはおっしゃっていましたよ。
退職された方は、ぜひこの制度も確認してみてくださいね。
損しない確認ポイント7選
ここからは、住民税非課税世帯の方が国民健康保険料で損しないための確認ポイントを7つご紹介します。
どれも実践的な内容ですので、ぜひチェックしてみてくださいね。
ポイント1:前年所得で判定されているか確認する
国民健康保険料も住民税も、前年の所得をもとに計算されます。
今年収入が減っても、保険料にはすぐに反映されないんですね。
「今は収入が少ないのに、なぜ高いの?」という場合は、前年の所得が影響しているかもしれません。
通知書と一緒に届く「所得金額」の欄を確認してみてください。
ポイント2:世帯全員の所得を確認する
軽減判定は世帯全体の所得で行われます。
ご自身だけでなく、同じ世帯にいる家族の所得も影響するんですね。
特に、国民健康保険に加入していない世帯主の所得も判定に含まれることがあります。
世帯構成と各人の所得を整理しておくと、軽減の有無がわかりやすくなりますよ。
ポイント3:均等割・平等割が残っていないか確認する
所得割がゼロでも、均等割や平等割は発生します。
これが「住民税非課税なのに国保は有料」という状況の正体なんですね。
通知書の内訳を見て、どの部分にいくらかかっているか確認してみてください。
軽減が適用されていれば、均等割の欄に「7割軽減」などと記載されているはずです。
ポイント4:軽減の対象になっているか確認する
7割・5割・2割軽減は原則として自動適用ですが、所得の申告をしていないと適用されないことがあります。
確定申告や住民税の申告をしていない方は、たとえ所得がゼロでも申告が必要な場合があります。
「収入がないから申告しなくていい」と思っていると、軽減を受けられないこともあるんですね。
住民税非課税世帯の条件や年収目安について詳しく知りたい方は、別の記事でも解説していますので参考にしてみてください。
ポイント5:会社の健康保険の「扶養」と混同しない
会社員のご家族の扶養に入れば保険料がかからないケースもありますが、国民健康保険には扶養という概念がありません。
「夫が会社員だから私は払わなくていい」と思っていたら、実は夫も国保だった…というケースもあります。
加入している保険の種類を今一度確認してみてくださいね。
ポイント6:退職・離職時の減免制度を確認する
会社を辞めた直後は、前年の高い所得で保険料が計算されてしまいます。
しかし、非自発的離職(会社都合退職など)の場合は、減免制度が使えることがあります。
雇用保険の「受給資格者証」などが必要になりますので、該当する方は早めに窓口でご相談ください。
ポイント7:通知書の内訳を必ず見る
国民健康保険料の通知書には、金額の内訳が記載されています。
「医療分」「後期高齢者支援金分」「介護分」などに分かれていますので、どこに負担があるかを把握しましょう。
2026年度からは「子ども・子育て支援金分」が新設される自治体もあります。
通知書の見方がわからない場合は、遠慮なく市区町村の窓口で聞いてみてくださいね。
60代女性Dさんの場合:年金月10万円で同居の娘がいる
Dさん(66歳)は年金月約10万円で、同居しているお嬢さん(38歳・会社員)がいます。
Dさん自身は住民税非課税ですが、お嬢さんには収入があります。
世帯主がお嬢さんになっていたため、国民健康保険の軽減判定にお嬢さんの所得も含まれていました。
結果として、Dさんの国保料には軽減が適用されていなかったんですね。
世帯分離をするかどうか、メリット・デメリットを検討されることになりました。
このように、世帯構成によって保険料が変わることがありますので、確認してみてくださいね。
国民健康保険料の計算方法を知っておこう
国民健康保険料がどのように計算されているか、基本的な仕組みを知っておくと安心ですよね。
ここでは、わかりやすく解説していきます。
国民健康保険料の計算式
国民健康保険料は、おおまかに以下の要素を組み合わせて計算されます。
保険料の計算要素
- 所得割:前年の所得に応じてかかる部分
- 均等割:加入者1人あたりにかかる定額部分
- 平等割:1世帯あたりにかかる定額部分(ない自治体もあります)
- 資産割:固定資産税額に応じてかかる部分(ない自治体もあります)
自治体によって採用している方式が異なりますので、お住まいの地域のホームページで確認してみてくださいね。
保険料率は自治体ごとに違う
国民健康保険は市区町村が運営しているため、保険料率は自治体ごとに異なります。
同じ所得でも、住んでいる場所によって保険料が違うんですね。
引っ越しをされた場合は、新しい自治体での保険料がいくらになるか確認しておくとよいでしょう。
年間の上限額(賦課限度額)もある
国民健康保険料には年間の上限額が設定されています。
2026年度の上限額は自治体によって異なりますが、おおむね100万円前後が上限の目安です。
高所得の方はこの上限に達することがありますが、住民税非課税世帯の方には関係が薄い部分かもしれませんね。
60代女性Eさんの場合:遺族年金のみ月15万円
Eさん(65歳)は夫を亡くされ、遺族年金を月約15万円受け取っています。
実は、遺族年金は非課税所得なので、所得としてカウントされません。
そのため、Eさんの「所得」は実質ゼロとして扱われます。
この場合、国民健康保険料の所得割はゼロになり、均等割も7割軽減が適用されます。
「年金が15万円もあるのに軽減されるの?」と驚かれていましたが、遺族年金の特性によるものなんですね。
障害年金も同様に非課税所得です。
年金の種類によって課税・非課税が異なりますので、ご自身の年金がどちらに該当するか確認してみてくださいね。
よくある疑問と注意点
ここでは、住民税非課税世帯の方からよく聞かれる疑問についてお答えしていきます。
確定申告をしていなくても軽減は受けられる?
原則として、所得の申告をしていないと軽減が適用されないことがあります。
「収入がないから申告しなくていい」と思っていても、住民税の申告だけは必要な場合があるんですね。
軽減を確実に受けるためにも、お住まいの自治体で確認してみてください。
国民健康保険料を滞納するとどうなる?
保険料を滞納すると、延滞金がかかったり、保険証が「短期被保険者証」に切り替わったりすることがあります。
支払いが難しい場合は、早めに窓口で分割納付の相談をしてみてください。
黙って滞納するよりも、相談することで対応してもらえるケースが多いですよ。
75歳になったらどうなるの?
75歳になると、国民健康保険から「後期高齢者医療制度」に移行します。
保険料の計算方法や軽減制度も変わりますので、また別途確認が必要になりますね。
後期高齢者医療制度についても、低所得者向けの軽減制度が用意されています。
75歳が近づいてきたら、お住まいの自治体からお知らせが届くはずですので、確認してみてくださいね。
60代女性Fさんの場合:年金月7万円でギリギリの生活
Fさん(68歳)は年金月約7万円で一人暮らしをされています。
毎月の生活はギリギリで、国民健康保険料の支払いも負担に感じていました。
7割軽減が適用されていましたが、それでも支払いが難しい月があったそうです。
窓口で相談したところ、分割納付の対応をしてもらえることになりました。
また、生活保護の申請についても案内を受けたそうです。
生活保護を受給すると、国民健康保険料は免除になります。
「恥ずかしくて相談できなかったけど、行ってよかった」とFさんはおっしゃっていました。
困ったときは一人で抱え込まず、窓口に相談してみてくださいね。
まとめ:住民税非課税世帯でも国民健康保険料は軽減を活用しよう
ここまで、住民税非課税世帯と国民健康保険料の関係についてお伝えしてきました。
最後に、大切なポイントを整理しておきますね。
この記事のまとめ
- 住民税非課税世帯でも国民健康保険料は原則かかる
- ただし、7割・5割・2割の均等割軽減が用意されている
- 軽減は自動適用が基本だが、所得申告が必要
- 世帯全員の所得が軽減判定に影響する
- 退職時には減免制度が使える場合がある
- 通知書の内訳を確認することが大切
- 困ったときは早めに窓口で相談する
損しない確認チェックリスト
- □ 前年所得が正しく反映されているか
- □ 世帯全員の所得を把握しているか
- □ 軽減が適用されているか
- □ 所得の申告は済んでいるか
- □ 退職・離職の減免対象ではないか
- □ 通知書の内訳を確認したか
- □ 支払いが難しい場合は相談したか
国民健康保険料の仕組みは少し複雑に感じるかもしれませんが、軽減制度をしっかり活用すれば、負担を抑えることができますよ。
制度は改正されることがありますので、最新情報は各自治体・日本年金機構をご確認ください。
よくある質問(FAQ)
Q1. 住民税非課税世帯なら国民健康保険料は無料になりますか?
A. いいえ、住民税非課税世帯でも国民健康保険料は原則かかります。ただし、均等割に7割・5割・2割の軽減が適用されることが多いため、全額を支払うわけではありません。軽減を受けるには所得の申告が必要な場合がありますので、確認してみてくださいね。
Q2. 軽減は自分で申請しないといけませんか?
A. 7割・5割・2割軽減は原則として自動適用されます。ただし、所得の申告をしていないと適用されないことがありますので、住民税の申告だけは済ませておくと安心ですよ。退職による減免など、申請が必要なものもあります。
Q3. 年金収入だけでも国民健康保険料はかかりますか?
A. はい、年金収入のみでも国民健康保険料はかかります。ただし、遺族年金や障害年金は非課税所得のため、所得としてカウントされません。老齢年金は課税対象ですが、金額によっては住民税非課税となり、軽減が適用されます。
Q4. 世帯分離をすれば保険料は安くなりますか?
A. 世帯分離をすると軽減判定の対象となる所得が変わるため、保険料が安くなるケースもあります。ただし、他の給付金や制度にも影響が出る可能性がありますので、慎重にご検討くださいね。窓口で相談されることをおすすめします。
Q5. 国民健康保険料が払えない場合はどうすればいいですか?
A. 支払いが難しい場合は、早めにお住まいの市区町村の窓口でご相談ください。分割納付や減免制度の案内を受けられることがあります。滞納を続けると延滞金がかかったり、保険証が短期被保険者証に切り替わったりしますので、早めの相談が大切ですよ。
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