
「年金って結局、何歳からもらえるの?」「繰上げ受給と繰下げ受給、どっちが得なの?」
そんな疑問を抱えている方、きっと多いのではないでしょうか。
年金受給の開始年齢は、実は60歳から75歳まで自分で選べるようになっているんですね。
でも、その選び方によって、もらえる金額が大きく変わってくるので、慎重に考えたいところですよね。
この記事では、年金受給は何歳から始められるのか、繰上げ・繰下げ受給の違い、そして損しないための選び方7選を詳しくお伝えします。
この記事でわかること
- 年金受給の開始年齢と基本的な仕組み
- 繰上げ受給・繰下げ受給それぞれのメリットとデメリット
- 自分に合った受給開始年齢の選び方
【この記事のポイント】
- ✓ 3分で読めます
- ✓ 50代~60代で年金の受け取り時期を検討している方が対象です
- ✓ 知らないと損するポイントをわかりやすく解説
- ✓ 申請手続きの流れもご紹介
- ✓ 必要書類の確認方法
- ✓ お問い合わせ先は日本年金機構・各自治体
年金受給は何歳から?基本の開始年齢は65歳です

まず最初に、年金受給の基本についてお話ししますね。
公的年金の中心となる老齢基礎年金と老齢厚生年金の原則的な受給開始年齢は65歳なんです。
これは日本年金機構が定めている標準的な開始年齢で、多くの方がこの年齢から年金を受け取り始めています。
日本年金機構からは、65歳の誕生日の約3か月前に「年金請求書」が届く仕組みになっています。
届いたら、必要事項を記入して手続きを行えば、年金を受け取れるようになりますよ。
年金を受け取るための条件とは
年金を受け取るためには、いくつかの条件があります。
- 原則65歳以上であること
- 保険料を納めた期間などを合計した「資格期間」が10年以上あること
この資格期間というのは、国民年金の保険料を納めた期間だけでなく、免除期間や合算対象期間なども含まれるんですね。
「10年に満たないかも」と心配な方は、一度年金事務所で確認してみることをおすすめします。
60代女性の具体例:年金月8万円の一人暮らしAさんのケース
ここで、具体的な例を見てみましょう。
65歳のAさんは、自営業で長年働いてきた一人暮らしの女性です。
国民年金だけの加入だったため、年金月額は約8万円の見込み。
Aさんは「65歳から受け取るか、それとも繰下げて増やすか」悩んでいました。
貯蓄がある程度あったので、70歳まで繰下げることも検討中です。
このように、ご自身の貯蓄状況や生活費を考えながら、開始年齢を選ぶことが大切なんですね。
年金受給の繰上げ受給とは?60歳から受け取れる仕組み

「65歳まで待てない」「早めに年金がほしい」という方もいらっしゃいますよね。
そんな方のために、繰上げ受給という制度があるんです。
繰上げ受給とは、本来65歳から受け取る年金を、60歳から64歳の間に前倒しで受け取る方法のことです。
ただし、早くもらう代わりに、年金額が減ってしまうという仕組みになっています。
繰上げ受給の減額率を確認しましょう
繰上げ受給をすると、1か月繰上げるごとに0.4%減額されます。
これは2022年4月以降に60歳になった方(1962年4月2日以降生まれ)に適用される率です。
最大で60か月(5年)繰上げると、以下のような計算になります。
- 60か月 × 0.4% = 24%減額
たとえば、本来65歳で月額10万円もらえる方が60歳から繰上げ受給すると、月額7.6万円になってしまうんですね。
そして、この減額は一生続くことになります。
繰上げ受給のメリットとデメリット
【メリット】
- 60代前半から年金を受け取れる
- 早期退職や収入減に備えられる
- 貯蓄が少ない場合でも生活費の足しになる
【デメリット】
- 月々の年金額が一生減額されたまま
- 長生きした場合、生涯受取総額が少なくなる可能性がある
- 障害年金や寡婦年金などに制限がかかる場合がある
60代女性の具体例:夫婦で年金18万円のBさんのケース
62歳のBさんは、夫と二人暮らし。
夫婦合わせて年金は月18万円ほどの見込みですが、夫の体調が優れず、Bさんも働けない状況でした。
貯蓄を取り崩す生活が続いていたため、Bさんは自分の年金だけ繰上げ受給することを決めました。
減額はありますが、毎月の生活費の不安が軽減されて、「気持ちが楽になった」とおっしゃっていました。
このように、今すぐ現金が必要な状況では、繰上げ受給も有効な選択肢になりますね。
年金受給の繰下げ受給とは?最大84%も増額できる
一方で、「もう少し待ってでも、年金を増やしたい」という方には繰下げ受給がおすすめです。
繰下げ受給とは、65歳以降(66歳から75歳まで)に受給開始を遅らせることで、年金額を増やす方法です。
2022年の法改正で、上限が70歳から75歳に引き上げられました。
繰下げ受給の増額率を確認しましょう
繰下げ受給をすると、1か月遅らせるごとに0.7%増額されます。
最大で120か月(10年)繰下げた場合の計算は以下のとおりです。
- 120か月 × 0.7% = 84%増額
本来65歳で月額10万円の方が75歳まで繰下げると、月額約18.4万円になる計算です。
この増額率は、受給開始後も一生変わりません。
繰下げ受給のメリットとデメリット
【メリット】
- 月々の年金額が大幅に増える
- 高齢期後半の生活資金を強化できる
- 長生きするほど生涯受取総額が多くなりやすい
【デメリット】
- 受給開始を遅らせる期間は年金ゼロで過ごす必要がある
- その間は貯蓄や他の収入に頼ることになる
- 早期に亡くなった場合、生涯受取総額が少なくなるリスクがある
60代女性の具体例:年金月12万円のCさんのケース
63歳のCさんは、会社員として長年働いてきました。
65歳での年金見込み額は月約12万円ですが、まだ働く意欲があり、70歳まで働く予定です。
「働いている間は給料があるから、年金は遅らせて増やしたい」と考え、70歳まで繰下げることを検討中。
70歳開始なら、月額約17万円(約42%増)になる見込みです。
このように、60代後半も収入がある方は、繰下げで将来の年金を厚くする選択も可能なんですね。
繰上げ受給と繰下げ受給の違いを比較表でチェック
ここで、繰上げ受給と繰下げ受給の違いを、わかりやすく比較表にまとめてみましょう。
| 項目 | 繰上げ受給 | 繰下げ受給 |
|---|---|---|
| 受給開始可能年齢 | 60歳~64歳 | 66歳~75歳 |
| 年金額の変化 | 減額される | 増額される |
| 変化率 | 1か月あたり0.4%減 | 1か月あたり0.7%増 |
| 最大変化率 | 24%減(60歳開始) | 84%増(75歳開始) |
| 向いている人 | 早めに現金が必要な人 | 長生きに備えたい人 |
| 注意点 | 一度決めると取り消し不可 | 受給までの生活費が必要 |
この表を見ると、繰上げは「今すぐ必要」な方、繰下げは「将来に備えたい」方に向いていることがわかりますね。
老齢基礎年金と老齢厚生年金は別々に選べます
意外と知られていないのですが、老齢基礎年金と老齢厚生年金は、それぞれ別々に繰下げることができるんです。
たとえば、こんな選び方も可能です。
- 老齢基礎年金は65歳から受給開始
- 老齢厚生年金だけ70歳まで繰下げる
このように組み合わせることで、より柔軟な受給計画が立てられますね。
60代女性の具体例:年金月15万円のDさん夫婦のケース
Dさん夫婦は、夫が68歳、妻(Dさん)が65歳。
夫の年金は繰下げ中で、Dさんは65歳から受給を開始しました。
「夫婦でバランスを取りたかった」とDさん。
片方が先に受給を始めることで、世帯全体の収入が途切れないよう工夫されていますね。
夫婦で年金を受け取る場合の考え方については、世帯全体でのシミュレーションが大切になってきます。
損しない年金受給開始年齢の選び方7選
それでは、実際に「損しない」ために、どのような視点で受給開始年齢を選べばいいのでしょうか。
ここでは7つのポイントをご紹介します。
1. 寿命・健康状態の見通しを考える
まず大切なのは、ご自身の健康状態と寿命の見通しです。
繰下げ受給は長生きするほど有利ですが、早期に亡くなった場合は受取総額が少なくなります。
反対に、繰上げ受給は早期死亡の場合に有利になりやすいんですね。
- 持病の有無
- 家系の寿命傾向
- 現在の健康状態
これらを踏まえて判断することが大切です。
2. 60代前半の収入状況を確認する
60歳から65歳の間に、どのくらいの収入があるかも重要なポイントです。
会社員として働き続ける方は、給料があるので年金を繰下げる余裕があるかもしれません。
一方、早期退職や失業で収入が途切れる方は、繰上げ受給や65歳開始が現実的ですね。
3. 貯蓄・金融資産の残高を把握する
貯蓄がどのくらいあるかによって、選択肢が変わってきます。
貯蓄が十分にある方は、一定期間貯蓄を取り崩しながら年金を繰下げすることで、後半の年金額を増やす戦略が取れます。
貯蓄が少ない方は、早めに年金を受け取り始めて、生活費の不安を減らす方がいいかもしれませんね。
4. 在職老齢年金のルールを理解する
65歳以降も会社員として働く場合、在職老齢年金制度に注意が必要です。
これは、一定以上の賃金と年金額の合計がある場合、年金の一部または全部が支給停止になる制度です。
ただし、2026年度からは支給停止の基準額が月65万円に引き上げられました。
以前より多くの方が、働きながらでも年金を受け取りやすくなっていますよ。
5. 配偶者の年金も含めて世帯で考える
ご夫婦の場合は、世帯全体での年金額・貯蓄を踏まえて検討しましょう。
- 片方を繰下げ、もう片方を65歳開始にする
- 片方を繰上げで早期資金確保、もう片方を繰下げで後半を厚くする
こんな組み合わせも可能です。
住民税非課税世帯の条件が気になる方は、世帯収入の計算も一緒に確認しておくといいですね。
6. インフレ・物価上昇のリスクを考慮する
長期的な生活費の増加リスクも考えておきたいところです。
公的年金は物価や賃金動向に連動して改定されますが、高齢期後半の固定収入を厚くしておく意義は大きいとも言われています。
将来の物価上昇に備えて、繰下げで年金額を増やしておくのも一つの選択肢ですね。
7. キャッシュフロー表でシミュレーションする
最後におすすめしたいのが、キャッシュフロー表を作って可視化することです。
60歳から90歳くらいまでの毎年の収入・支出・貯蓄残高を簡単に表にしてみましょう。
- 60歳繰上げの場合
- 65歳開始の場合
- 70歳・75歳繰下げの場合
それぞれをシミュレーションすると、「どの年齢で資金不足になるか」「総額がどう変わるか」が明確になりますよ。
60代女性の具体例:年金月10万円のEさんのケース
58歳のEさんは、60歳で退職予定。
年金見込み額は月約10万円で、貯蓄は1,500万円ほどあります。
Eさんは、エクセルで簡単なキャッシュフロー表を作り、65歳開始と70歳繰下げを比較してみました。
その結果、70歳繰下げなら85歳時点でも貯蓄が残ることがわかり、繰下げを選ぶことにしました。
このように、具体的な数字で比較することで、安心して判断できるようになりますね。
年金受給開始年齢を選ぶ際のチェックリスト
ここまでの内容を踏まえて、受給開始年齢を選ぶ際のチェックリストをまとめました。
ぜひご活用くださいね。
【繰上げ受給を検討する方のチェックリスト】
- □ 60代前半に十分な収入がない
- □ 貯蓄が少なく、早めに現金がほしい
- □ 健康面で長生きに不安がある
- □ 減額されても、今の生活費を優先したい
【繰下げ受給を検討する方のチェックリスト】
- □ 65歳以降も働く予定がある
- □ 貯蓄や他の収入で生活費をまかなえる
- □ 健康状態が良好で、長生きに自信がある
- □ 高齢期後半の年金を厚くしたい
該当する項目が多い方を参考に、ご自身に合った選択を考えてみてくださいね。
特別支給の老齢厚生年金について
一部の方には、65歳前に受け取れる「特別支給の老齢厚生年金」という制度があります。
これは、厚生年金の支給開始年齢が60歳から65歳に引き上げられた際の移行措置として設けられたものです。
対象となる世代
特別支給の老齢厚生年金を受け取れるのは、以下の方です。
- 男性:1961年4月1日以前生まれ
- 女性:1966年4月1日以前生まれ
これより後に生まれた世代には、原則として適用されません。
ご自身が対象かどうかは、日本年金機構からの通知や年金事務所で確認できますよ。
60代女性の具体例:特別支給を受けたFさんのケース
63歳のFさんは、1964年生まれ。
日本年金機構から届いた通知で、64歳から特別支給の老齢厚生年金を受け取れることを知りました。
「繰上げとは違うんですね」とFさん。
特別支給は減額なしで受け取れるので、対象の方は必ず請求手続きをしましょう。
請求しないままでいると、時効で受け取れなくなる場合もあるので注意が必要です。
年金受給の申請手続きと必要書類
年金を受け取るためには、請求手続きが必要です。
自動的に振り込まれるわけではないので、忘れないようにしましょうね。
手続きの流れ
- 日本年金機構から「年金請求書」が届く(65歳誕生日の約3か月前)
- 必要書類を準備する
- 年金請求書を記入し、提出する
- 審査後、年金証書が届く
- 受給開始
主な必要書類
- 年金請求書(送られてくるもの)
- 戸籍謄本または住民票
- 本人確認書類(運転免許証など)
- 年金手帳または基礎年金番号通知書
- 預金通帳またはキャッシュカードのコピー
詳細は日本年金機構のホームページで確認できます。
不明な点があれば、お近くの年金事務所に相談してみてくださいね。
よくある質問(FAQ)
Q1. 年金受給は何歳から始められますか?
A. 原則は65歳からですが、繰上げ受給で60歳から、繰下げ受給で最大75歳まで選択できます。
Q2. 繰上げ受給をすると、どのくらい減額されますか?
A. 1か月繰上げるごとに0.4%減額されます。60歳から受給すると最大24%減額になります。
Q3. 繰下げ受給をすると、どのくらい増額されますか?
A. 1か月繰下げるごとに0.7%増額されます。75歳まで繰下げると最大84%増額になります。
Q4. 一度決めた受給開始年齢は変更できますか?
A. 繰上げ受給は一度請求すると取り消しができません。繰下げの場合は、受給開始前であれば65歳時点にさかのぼって受け取ることも可能な場合があります。詳しくは日本年金機構にご確認ください。
Q5. 夫婦で受給開始年齢を分けることはできますか?
A. できます。夫婦それぞれが別々の開始年齢を選べますので、世帯全体のバランスを考えて決めることをおすすめします。
まとめ:年金受給は何歳からがベスト?損しない選び方のポイント
年金受給は何歳から始めるのがいいのか、ここまで詳しくお伝えしてきました。
この記事のポイントをまとめますね。
- 年金受給の開始年齢は、原則65歳
- 繰上げ受給(60~64歳)は1か月0.4%減額、最大24%減
- 繰下げ受給(66~75歳)は1か月0.7%増額、最大84%増
- 損しない選び方は、健康状態・収入・貯蓄・世帯状況などを総合的に判断する
- キャッシュフロー表でシミュレーションすると安心
年金受給の開始年齢に「一律の正解」はありません。
大切なのは、ご自身の状況に合った選択をすることなんですね。
制度は改正されることがありますので、最新情報は各自治体・日本年金機構をご確認ください。
もし「自分の場合はどうしたらいいの?」と迷われたら、年金事務所での相談もおすすめです。
一人で抱え込まず、専門家の力を借りながら、安心できる選択をしてくださいね。
この記事がお役に立ちましたら、ブックマークや他の記事もぜひご覧ください。