
「年金をもらっているけど、確定申告って本当に必要なのかな?」
「確定申告不要って聞いたけど、本当にしなくていいの?」
そんな疑問をお持ちの方、きっと多いのではないでしょうか。
実は、年金受給者の方でも確定申告をした方がお得になるケースがあるんですね。
特に医療費がかさんだ年や、ふるさと納税をしている方は、還付金を受け取れる可能性があります。
この記事では、年金受給者でも確定申告した方がいい人を5つのパターンでご紹介します。
60代女性の具体的な事例も交えながら、年金所得の考え方から還付金をもらえるケースまで、わかりやすくお伝えしていきますね。
【この記事のポイント】
- ✓ 3分で読めます
- ✓ 年金受給者で確定申告を迷っている方が対象です
- ✓ 知らないと損する還付金のポイント
- ✓ 確定申告の期限は毎年3月15日頃(還付申告は1月から可能)
- ✓ 必要書類:源泉徴収票、医療費の領収書、寄附金受領証明書など
- ✓ お問い合わせ先:最寄りの税務署、市区町村の税務課
この記事でわかること
- 年金受給者が確定申告した方がいい5つのパターン
- 還付金を受け取れる具体的なケース
- 年金所得の基本的な考え方と計算の仕組み
年金受給者でも確定申告した方がいい人は意外と多い

結論からお伝えしますね。
年金受給者の方でも、確定申告をすることで税金が戻ってくる可能性がある人は意外と多いんです。
「確定申告不要制度」という言葉を聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれませんね。
これは、一定の条件を満たす年金受給者は確定申告をしなくてもいいという制度です。
具体的には、以下の2つの条件を両方とも満たしている場合に使えます。
- 公的年金等の収入金額の合計が年間400万円以下
- 公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が年間20万円以下
この条件を満たしていれば、原則として確定申告は不要です。
でも、ここで大切なポイントがあるんですね。
「確定申告が不要」と「確定申告しない方がいい」は、まったく違うことなんです。
確定申告不要制度はあくまで「しなくてもいい」という制度であって、「した方が損」という意味ではありません。
むしろ、各種控除を申告することで、払い過ぎた税金が戻ってくるケースがたくさんあります。
60代女性Aさんの例:年金月8万円の一人暮らし
たとえば、年金月8万円(年間96万円)で一人暮らしをしているAさん(64歳)のケースを見てみましょう。
Aさんは昨年、持病の治療で入院し、年間の医療費が15万円かかりました。
年金からは所得税が源泉徴収されていましたが、「確定申告不要」と聞いていたので何もしませんでした。
でも実は、医療費控除を申告すれば、源泉徴収された所得税の一部が還付される可能性があったんですね。
「知らなかった」というだけで、受け取れるはずのお金を逃してしまうのはもったいないことですよね。
年金受給者が確定申告した方がいい人5選

それでは、具体的にどんな人が確定申告をした方がいいのか、5つのパターンをご紹介していきますね。
①医療費が多かった人(医療費控除を受けられる人)
1つ目は、年間の医療費が多かった人です。
医療費控除は、1年間に支払った医療費が一定額を超えた場合に受けられる控除です。
原則として、所得の5%または10万円のいずれか少ない方を超えた分が控除の対象になります。
医療費控除の対象になるもの
- 病院・歯科医院での診療費や治療費
- 処方薬の費用
- 入院時の食事代の自己負担分
- 通院のための交通費(公共交通機関)
- 介護保険サービスの自己負担分の一部
年金から所得税が源泉徴収されている方は、医療費控除を申告することで払い過ぎた税金が還付される可能性があります。
60代女性Bさんの例:夫婦で年金18万円
Bさん(67歳)は、ご主人と合わせて月18万円(年間216万円)の年金で暮らしています。
昨年、ご主人が大きな手術を受け、夫婦合わせて年間の医療費が30万円を超えました。
Bさんは「年金だけだから確定申告は関係ない」と思っていましたが、
ご近所の方に「医療費控除で税金が戻るかも」と聞いて税務署に相談。
結果、約8,000円の還付金を受け取ることができました。
「金額は大きくないけど、知っていてよかった」とBさんは話していました。
高額な入院費や手術費がある方は、ぜひ医療費控除を検討してみてくださいね。
なお、過去5年分までさかのぼって還付申告ができますので、以前の分も確認してみるとよいかもしれません。
②ふるさと納税や寄附をしている人(寄附金控除)
2つ目は、ふるさと納税や各種寄附をしている人です。
ふるさと納税には「ワンストップ特例制度」がありますが、
この特例を使っていない場合や、条件を満たしていない場合は確定申告が必要です。
確定申告が必要になるふるさと納税のケース
- ワンストップ特例の申請をしなかった
- 6つ以上の自治体に寄附した
- ワンストップ特例の申請期限に間に合わなかった
- 他の理由で確定申告をする必要がある
寄附金控除を申告しないと、ふるさと納税のメリットを受けられませんので、ご注意くださいね。
60代女性Cさんの例:年金月12万円でふるさと納税を楽しむ
Cさん(66歳)は、月12万円(年間144万円)の年金で生活しながら、
お得な返礼品を楽しみにふるさと納税を毎年行っています。
昨年は4つの自治体に計2万円を寄附しましたが、
ワンストップ特例の申請を1つだけ忘れてしまいました。
そこで確定申告をして寄附金控除を申請。
結果として、所得税の還付と住民税の減額という形で、きちんと控除を受けることができました。
年金受給者の方でもふるさと納税は利用できますので、
控除を申告し忘れないようにしたいですよね。
③社会保険料・生命保険料など各種控除が多い人
3つ目は、各種控除をきちんと申告していない人です。
年金から所得税が源泉徴収される際、すべての控除が反映されているとは限りません。
特に以下のような控除は、確定申告で追加申告することで税金が戻る可能性があります。
確定申告で追加できる主な控除
- 社会保険料控除(国民健康保険料、介護保険料、国民年金保険料など)
- 生命保険料控除
- 地震保険料控除
- 配偶者控除・配偶者特別控除
- 扶養控除
- 障害者控除
- 寡婦控除・ひとり親控除
「扶養親族等申告書」を年金事務所に提出していない方は要注意です。
この書類を出していないと、各種控除が源泉徴収に反映されず、
払い過ぎの状態になっている可能性があります。
60代女性Dさんの例:生命保険料を払い続けている
Dさん(68歳)は、若いころから続けている生命保険の保険料を毎月払っています。
年間で約8万円の保険料を支払っていますが、
年金の源泉徴収では生命保険料控除が反映されていませんでした。
Dさんは確定申告で生命保険料控除を申告したところ、
約3,000円の還付金を受け取ることができました。
「毎年のことだから、積み重ねると大きいですよね」とDさん。
保険料を払っている方は、控除の申告をお忘れなく。
④年金以外に収入がある人
4つ目は、年金以外に収入がある人です。
「確定申告不要制度」の条件の1つに、
「公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が年間20万円以下」というものがありましたよね。
つまり、年金以外の所得が年間20万円を超える場合は、原則として確定申告が必要になります。
確定申告が必要になる年金以外の収入の例
- パート・アルバイトの給与
- 再雇用や嘱託での給与
- 副業による収入(事業所得・雑所得)
- アパートや駐車場などの不動産所得
- 株式の配当金や売却益(特定口座源泉徴収ありでもケースによる)
- 個人年金保険の受取金
ただし、確定申告をすることで還付金を受け取れるケースもあるんですね。
給与や副業収入から源泉徴収されている場合、
年間を通した計算では払い過ぎになっていることがあります。
60代女性Eさんの例:週3日のパートを続けている
Eさん(63歳)は、年金を受給しながら週3日のパートで働いています。
年金は月10万円(年間120万円)、パート収入は月5万円(年間60万円)です。
年金以外の所得が20万円を超えているため、確定申告が必要でした。
Eさんは確定申告で給与所得控除や各種控除を正しく申告したところ、
パート先で源泉徴収されていた所得税の一部が還付されました。
「申告は少し手間だけど、お金が戻ってくるならやった方がいいですよね」
とEさんは話していました。
住民税非課税世帯の年収目安が気になる方は、当ブログの関連記事も参考になります。
年金とパート収入の組み合わせで住民税非課税になるラインも解説していますよ。
⑤年金収入が大きい人・複数の年金を受給している人
5つ目は、年金収入が大きい人や複数の年金を受給している人です。
公的年金等の収入金額が年間400万円を超える場合は、
確定申告不要制度を使うことができません。
つまり、確定申告が必要になります。
年金収入が大きくなりやすいケース
- 厚生年金と共済年金の両方を受給している
- 企業年金(確定給付年金など)を受給している
- 個人年金保険の年金を受け取っている
- 配偶者の遺族年金と自分の老齢年金を受け取っている
年金収入が大きい方は、源泉徴収される所得税も多くなりますよね。
そのため、医療費控除や寄附金控除を合わせて申告すると、還付金が大きくなる可能性があります。
60代女性Fさんの例:厚生年金と企業年金を受給
Fさん(65歳)は、長年勤めた会社の厚生年金と企業年金を合わせて受け取っています。
合計すると年間で約420万円となり、確定申告が必要な金額です。
Fさんは毎年確定申告をしていますが、
昨年は歯科治療でインプラントを入れ、医療費が40万円以上かかりました。
医療費控除を申告したところ、約3万円の還付金を受け取ることができました。
「年金が多いと税金も多いけど、控除をしっかり使えば戻ってくるんですね」
とFさんは満足そうでした。
年金受給者が還付金を受け取れる主なケースまとめ
ここで、年金受給者が確定申告で還付金を受け取れる主なケースをまとめてみましょう。
| ケース | 使える控除 | 還付の可能性 |
|---|---|---|
| 医療費が多かった | 医療費控除 | 高い |
| ふるさと納税をした | 寄附金控除 | 高い |
| 生命保険料を払っている | 生命保険料控除 | 中程度 |
| 扶養家族が増えた | 扶養控除 | 中程度 |
| 災害で損害を受けた | 雑損控除 | 高い |
| 給与から源泉徴収されている | 給与所得控除など | ケースによる |
国税庁の資料でも、上記のような控除を受けるためには確定申告が必要とされています。
確定申告不要制度の条件を満たしていても、還付を受けるには申告が必要なんですね。
年金所得とは?基本的な仕組みを理解しよう
ここで、「年金所得」について少し詳しくご説明しますね。
確定申告を考える上で、この仕組みを理解しておくと役立ちます。
公的年金等に係る雑所得の計算方法
公的年金は、税法上「公的年金等に係る雑所得」として扱われます。
ただし、年金の受取額がそのまま所得になるわけではありません。
年金収入から「公的年金等控除額」を差し引いた金額が「年金所得」となります。
この公的年金等控除額は、年齢や年金収入の金額によって異なります。
65歳以上の方は控除額が大きくなりますので、
同じ年金収入でも65歳未満の方より所得が低くなる仕組みです。
詳しい計算式は国税庁のホームページで確認できますが、
大まかなイメージとして、年金収入が多いほど控除率は下がると覚えておいてください。
年金所得に対する各種控除
年金所得が計算されたら、そこからさらに各種所得控除が差し引かれます。
主な所得控除
- 基礎控除(48万円)
- 配偶者控除・配偶者特別控除
- 扶養控除
- 社会保険料控除
- 生命保険料控除
- 医療費控除
- 寄附金控除
- 障害者控除
- 寡婦控除・ひとり親控除
これらの控除を差し引いた後の金額が「課税所得」となり、
この課税所得に対して所得税が計算されます。
つまり、控除を多く使えるほど、所得税は安くなるという仕組みなんですね。
年金受給者向けの節税テクニックについては、当ブログの他の記事でも詳しく解説しています。
住民税非課税世帯になるための条件を知りたい方にも参考になりますよ。
確定申告をするかどうかのチェックリスト
ここまでお読みいただいて、「自分は確定申告した方がいいのかな?」
と迷っている方もいらっしゃるかもしれませんね。
以下のチェックリストで確認してみてください。
1つでも当てはまる場合は、確定申告を検討した方がよいでしょう。
【確定申告を検討すべき年金受給者チェックリスト】
| ✓ | チェック項目 |
|---|---|
| □ | 年金収入が年間400万円を超える |
| □ | 年金以外の所得が年間20万円を超える |
| □ | 年間の医療費が10万円を超えた |
| □ | ふるさと納税や寄附をした |
| □ | 生命保険料を支払っている |
| □ | 地震保険料を支払っている |
| □ | 扶養家族に変更があった |
| □ | 災害や盗難で損害を受けた |
| □ | 扶養親族等申告書を提出していない |
| □ | 過去に控除の申告漏れがある |
「チェックはついたけど、手続きが難しそう…」
そう感じる方もいらっしゃいますよね。
わかります、その気持ち。
でも、最近は国税庁のホームページで「確定申告書等作成コーナー」を使えば、
画面の案内に従って入力するだけで申告書を作成できるようになっています。
また、税務署では確定申告の時期に相談窓口が設けられますので、
わからないことがあれば直接聞くこともできますよ。
住民税の申告も忘れずに
確定申告のお話をしてきましたが、住民税の申告も忘れないようにしたいですね。
所得税の確定申告をした場合は、その情報が市区町村に送られるため、
別途住民税の申告をする必要はありません。
ただし、所得税の確定申告をしない場合でも、
住民税の申告が必要になることがあります。
住民税の申告が必要になりやすいケース
- 年金以外に少額の所得がある(所得税は申告不要だが住民税は必要)
- 各種控除を住民税にも反映させたい
- 国民健康保険料の算定に影響がある
住民税は市区町村が計算しますが、
年金の情報だけでは把握できない所得や控除がある場合は、
申告することで税額が変わる可能性があります。
住民税非課税世帯の給付金を受け取りたい方は、
当ブログの住民税非課税世帯の条件についての記事もご覧くださいね。
よくある質問(FAQ)
Q1. 年金受給者は全員確定申告が必要ですか?
いいえ、全員が必要というわけではありません。
公的年金等の収入が年間400万円以下で、年金以外の所得が年間20万円以下の場合は、
「確定申告不要制度」を使えるため、原則として確定申告は不要です。
ただし、各種控除を使って還付を受けたい場合は、任意で申告することができます。
Q2. 確定申告の期限はいつですか?
通常の確定申告の期限は、毎年2月16日から3月15日頃までです。
ただし、還付申告(税金を戻してもらう申告)は1月1日から提出可能で、
5年間さかのぼって申告することもできます。
混雑を避けたい方は、早めに準備されるとよいですね。
Q3. 還付金はいつ頃受け取れますか?
確定申告書を提出してから、おおむね1か月から1か月半程度で還付されることが多いです。
e-Tax(電子申告)を使うと、書面提出より早く処理される傾向があります。
還付金は、申告時に指定した銀行口座に振り込まれます。
Q4. 確定申告に必要な書類は何ですか?
主に以下の書類が必要です。
- 公的年金等の源泉徴収票(日本年金機構から届きます)
- 給与所得の源泉徴収票(給与がある場合)
- 医療費の領収書またはメモ(医療費控除を受ける場合)
- 寄附金受領証明書(ふるさと納税等をした場合)
- 生命保険料控除証明書(保険会社から届きます)
- 本人確認書類(マイナンバーカードなど)
Q5. 税務署に行かなくても確定申告できますか?
はい、できます。
国税庁のホームページ「確定申告書等作成コーナー」を使えば、
自宅のパソコンやスマートフォンで申告書を作成できます。
作成した申告書は、e-Taxで電子送信するか、印刷して郵送することも可能です。
マイナンバーカードがあれば、e-Taxでの送信がスムーズですよ。
まとめ:年金受給者の確定申告で還付金を受け取ろう
今回は、年金受給者でも確定申告した方がいい人を5つのパターンでご紹介しました。
【確定申告した方がいい年金受給者5選】
- ①医療費が多かった人(医療費控除)
- ②ふるさと納税や寄附をしている人(寄附金控除)
- ③社会保険料・生命保険料など各種控除が多い人
- ④年金以外に収入がある人
- ⑤年金収入が大きい人・複数の年金を受給している人
確定申告不要制度があるからといって、
「申告しない方がいい」ということではないんですね。
各種控除を申告することで、払い過ぎた税金が還付金として戻ってくる可能性があります。
特に医療費が多かった年や、ふるさと納税をしている方は、
ぜひ確定申告を検討してみてくださいね。
「難しそう」と感じるかもしれませんが、
国税庁のホームページや税務署の相談窓口を活用すれば、
初めての方でも申告できますよ。
還付申告は過去5年分までさかのぼれますので、
「去年申告し忘れた」という方も、まだ間に合います。
※制度は改正されることがありますので、最新情報は各自治体・日本年金機構・国税庁のホームページをご確認ください。
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